がんの増殖を抑える仕組みを解明?がんの強力な”ブレーキ役”分子、DA-Rafのメカニズムが明らかに?

2025年10月27日

研究?産学連携

 现在哪个app能买足彩大学院理学研究院の高野和儀助教らの研究グループは、神戸大学バイオシグナル総合研究センターの伊藤俊樹教授、辻田和也准教授と共同で、がんの増殖に深く関わる「Ras-ERK経路」を抑える分子「DA-Raf」が、細胞膜注1)の脂質に結びつくことで、がんの原因となるシグナルを効率よく遮断する仕組みを世界で初めて明らかにしました。この発見は、がん治療薬の新しい開発ターゲットとなるだけでなく、細胞膜で起こるさまざまな生命現象を操作する技術革新にもつながる可能性があります。
 本研究成果は、10月21日に国際学術誌 Life Science Alliance に掲載されました。

■用語解説

注1)
細胞膜: 細胞の表面を覆う薄い膜。細胞の中と外を隔てるだけでなく、外からの刺激や情報を受け取り、細胞の反応をコントロールする役割も担っている。脂質が二重に並んだ「脂質二重膜」でできている。


■論文情報

タイトル: DA-Raf synergistically binds to the plasma membrane and Ras to suppress ERK signaling.

DOI: 10.26508/lsa.202503300

  • 図1 DA-Raf は細胞膜に結合してRas-ERK経路を抑制する